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2014年05月07日

若い血液の輸血で認知機能が向上、マウス実験で確認 米研究



年長のマウスに若いマウスの血液を注入すると、マウスの学習能力と記憶力が高まるとした研究論文が、4日の英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された。若い血液は、老化した脳の機能低下に対する治療薬になるかもしれない。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)などの研究チームが発表した論文によると、人間の年齢で20〜30歳に相当する生後3か月のマウスから輸血を複数回行ったところ、同56〜69歳に相当する生後18か月のマウスの脳の構造に変化がみられ、また機能的な改善もみられたという。

論文の共同執筆者の1人、同大医学部のサウル・ビジェダ(Saul Alvarez)氏は、AFPの取材に対し「若い血液の中には、老化の多くを改善できる特別な何かが存在すると思う」と語っている。

ビジェダ氏と研究チームは、脳の海馬領域がつかさどっている学習と記憶に関するテストを、年長のマウスに対して輸血の前と後で行い、結果を比較した。

テストの中の1つは、水中の隠れた台の位置を示す印を記憶する能力の測定で、駐車場のどこに車をとめたかを記憶するための物理的な目印を思い出さなければならない状況に似ているという。こうした機能は、年齢とともに低下する。

この実験結果についてビジェダ氏は、AFPの電子メール取材に「若い血を投与された年長のマウスは、隠れた台をより簡単に見つけることができた」と説明した。

研究チームはまた、脳の構造にも変化が生じ、ニューロン(神経細胞)の連結箇所が増加していることを発見した。

「若い血液の注入によって、年老いた海馬での分子、構造、機能、認知の各レベルで老化が妨げられたことをデータは示している」と論文は説明している。

この効果がどのくらいの期間持続するかについては不明だという。



■家庭で試さないように


研究チームは、認知機能に対して若い血液の効果が認められることを示したのは今回の研究が初めてだと主張している。これまでの他の研究では、成体幹細胞での若返り効果が証明されていた。

ただビジェダ氏は、自分で輸血を試ししてみたくなった人に対して、人間への拡張については「管理された」方法で行うべきだと強調し、「1回にどの程度の分量が必要で、どのような投薬計画が必要になるかなど、まだ明らかになっていないことがある」と指摘している。

「潜在的なリスクについての研究はまだ進行中であり、人間へと研究範囲を拡大する際には、考慮すべき事項の1つとなる」(ビジェダ氏)

老化は、進行性の認知機能の低下と脳の物理的変化に関連している。人間とマウスでは、海馬は特に老化の影響を受けやすい部位だ。

「(今後、)高齢者の割合が増加することを考えると、老化のプロセスを防ぐ、あるいは妨げることで、認知機能の完全性を維持するための手段を特定することが重要になる」と論文は述べている。



メタ認知 学習力を支える高次認知機能
posted by world at 17:34| ライフ・カルチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする