スポンサードリンク

2009年08月06日

米記者特赦をめぐる北朝鮮の思惑とは


北朝鮮が拘束していた米国人記者を釈放したことで、核放棄プロセスをめぐる協議再開の道が開けたとの見方を専門家は示しているが、果たしてこれは、北朝鮮が15年にわたる米政府に対する核の瀬戸際政策を転換したということなのか、それとも単に新たな交渉カードをちらつかせただけなのだろうか?

過去に北朝鮮問題担当特使を務めたニューメキシコ(New Mexico)州のビル・リチャードソン(Bill Richardson)知事は、CBSテレビに対し「両国間が緊張している時、北朝鮮はカードを出してくる。今回の米国人記者2人の拘束は、北朝鮮が米国にメッセージを伝えるための格好の切り札となった」と述べ、過去にも北朝鮮が行ってきた揺さぶり工作の1つと分析した。

一方、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記と会談したクリントン元大統領が、核問題をめぐる交渉の行き詰まりを北朝鮮がどう受け止めているのかや、金総書記の健康状態について、じかに知る機会を得た可能性を指摘する有識者も多い。核問題についてクリントン氏が自身の考えを北朝鮮側に伝える機会もあっただろうとみられている。

ホワイトハウスは、「クリントン氏がバラク・オバマ(Barack Obama)大統領からのメッセージを伝えた」との北朝鮮の報道を否定。オバマ大統領自身も、今回の訪問は「私的な人道的活動」だと協調、「北朝鮮が核計画を放棄しない限りは両国関係の改善はない」ことを改めて表明した。

だが米有力シンクタンク、外交問題評議会(Council on Foreign Relations、CFR)のスコット・シュナイダー(Scott Snyder)上級研究員はCFRウェブサイトで、クリントン氏の訪問は「米朝間のメッセージの『帯域幅』を広げた。クリントン氏が持ち帰った情報が、オバマ政権の対北朝鮮政策に何らかの影響を与えるかもしれない」と指摘。

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)のビクター・チャ(Victor Cha)研究員も、「北朝鮮に(核問題をめぐる)交渉の席への復帰に必要な『顔』を提供したようなもの。5月の核実験以来の緊張は和らいで、交渉への道が開かれるかもしれない」との見方を示している。

今回の北朝鮮の政策転換が、金総書記の三男・正雲(ジョンウン、Kim Jong-Un)氏への後継問題が絡んだ布石の1つなのかどうかにも、注目が集まっている。米政府は、クリントン氏との会談に誰が同席したかに注意を払っていたとされる。


米朝関係を考える上で、今回のクリントン元大統領の訪朝は歴史的大きなターニングポイントになるかも知れない。
posted by world at 20:14| 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする